お茶を飲んで、ほっとした経験ありませんか?
温かい飲み物をゆっくりと飲むという所作もリラックスにつながっているのですが、お茶には、テアニンというリラックスできる成分が含まれています。
このテアニンによる安息効果は質の高い睡眠に活用できるようです。
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テアニンとは?
テアニンはお茶の旨味の主成分となるアミノ酸。
うま味として主張してくるぐらいだから、このテアニン、お茶に含まれるアミノ酸の中では含有量が最も多いものです。
正式にはL-テアニンと言います。
そのテアニンの生成過程といえば、お茶の葉の元となるチャノキの根で合成され、そのまま吸い上げられて枝葉に移行し、葉に貯えられます。さらに、この葉に移ったテアニンは日光があたるとカテキンに転換されるとのこと。
昔の人は、どこで知ったのか、この性質を利用して、玉露などのうまみ成分が強いお茶は、収穫前の数日から数週間覆いをして遮光することにより、葉への日光の照射を抑えます。これにより、テアニンからカテキンへの転換を抑えることになるため、通常の茶葉よりもテアニンを多く含むことになり、うまみの強いお茶になるとのことです。
化学も生物学も黎明していない時代に、ここまで考えて、遮光法を編み出したわけはないと思いますが、覆いをしただけでうまみの強い高級茶になるということを見出す経験とはすごいものだと感心しますね。
ペットボトルの緑茶でも、玉露入りとか寝かせ茶葉等の記載があるものは、このようにしてうまみを引き出した茶葉を配合しています。
一方、カテキンを多く含有する緑茶は日光にしっかりさらした茶葉を使っています。そのため、うまみより苦みが強いお茶になのですね。ヘルシア緑茶とか。
これまで、お茶の健康物質と言えば、万能な抗酸化物質カテキンばかりが取り上げられていましたが、この前駆となるテアニンのリラックス効果として注目され始めています。
お茶を飲むとホッとするという感覚を日本人なら誰しも持った経験があるからなのか、研究自体は割と古くから行われているようですが、それほどスポットはあてられていなかったようです。
昔は経済成長に遅れを取らないよう、つらくてもしんどくても体を働かせようと考え、活力を得ようとするドリンク剤やサプリのニーズが強かったからなのでしょう。
「ユンケルンバでガンバルンバ」などはポップで元気になれそうでいいなと思いましたが、「24時間戦えますか」などは、かなりガチなハード感があり、今の世論では考えられないキャッチコピーですよね。
ところが、近年になって、睡眠や安息など、休める時間を最大限に活用して体をいたわる方向に、私たちのニーズがシフトしていっています。
テアニンの体内での作用
現在までに分かっていることでは、テアニンは服用されると小腸から血中に吸収され、そこから血管を通じて脳に届き、さらに、各種物質の通過が最も難しいと言われている脳関門を通過して、脳にまで難なく入り込めること。
カテキンもリコピンも脳には入り込めないのにテアニンってすごいですね。
ブドウ糖ぐらいしか脳関門を越えられないのに。
ここで脳内でのテアニンの働きとして、神経伝達物質として作用するセロトニンを減少させ、カテコールアミンを増加させるとされています。
ちなみに、カテコールアミンとはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンのことです。
何か引っかかりませんか?
これは、睡眠導入とは逆に、眠気を減退させる方向に働いているということです。
それでもα波を出すということは、テアニンの服用効果は、眠気などの催眠を呼ぶのではなく、安静時のリラックス状態にしてくれるということなのです。
これにより、脳の興奮を鎮めて深い睡眠に導いてくれるということになります。
よくよく考えれば、現代の人々は、遅く帰ってきて、食事、入浴、そして寝る直前までTVやパソコンで目を酷使し、眠りに入るギリギリまでスマホで頭を刺激している。いわゆる眠る直前まで、脳内は興奮状態にあるわけだから、これを抑制する効果があるテアニンは理想的な物質といえますね。
どれくらい摂れば効果があるのか?
テアニンの効果発現については、以下の実験結果があります。
テアニンが含まれていない通常の飲料水を服用した場合では測定を60分間行ってもα波の出現はみられない状態を確認した上で比較したとのこと。
- テアニン200mgの服用では後頭部・頭頂部に有意にα波の出現が認められた。
- テアニン50mgの服用でもα波の出現は認められるが、200mgを服用した群に比べて顕著なものではない。
(参考:L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響 日本農芸化学会誌1998)
ところで、1杯の煎茶に含まれるテアニンの量は5㎎程度です。
したがって、200㎎は緑茶40杯分にも相当します。これをお茶で取るのは非現実的であるし、そもそも緑茶には興奮作用のある刺激物質カフェインも含まれていることから、サプリメントを活用するのが効果的ですね。
ということは、冒頭の「お茶を飲んでホッとする」というのは、ゆっくりと温かい飲み物を飲むという所作によるものだということが実際のところのようです。
量によっても効果が変わるということなので、適用量を確実にとっておくことも重要。ただし、採りすぎによる影響の検証はされていないので、200㎎程度に抑えておいた方がよさそう。
テアニンの服用後、約30分でα波が励起されるとのことでした。
テアニンをサプリで摂った効果
サプリで摂ってみました。
アンファーからテアニンのサプリが出ています。
Dou Well Night(ウェルナイト)という30錠入りのテアニンサプリ。
少し前までは、グッドスリーパーって名前でしたが、中身は同じ。
1回1錠100㎎となっていますが、上記の結果を見て2錠飲んでいます。
イレギュラーですが、アミノ酸なのでコストが2倍になること以外は特に不具合はありません。むしろベネフィット(効き目)は向上していると思われる。
深い睡眠がとれることは実感できるので、おすすめです。
睡眠中もたびたび目が覚めることがありましたが、そんなこともほとんどなくなりました。入眠してしまえば、グリシンよりも効果は高いかもしれません。
まだ、繁忙期ではないので、睡眠環境にもよるのでしょうけれど。
但し、注意も一つ。
アルコールの摂取量が多い場合(いわゆる飲みすぎ)は、効果がほとんど感じられませんでした。飲むだけ無駄なので、そういう時は気を付けましょう。もったいないし。
余談ですが、尿は黄色くなります。
ビタミン剤も飲んでなかったので、始めて飲んだ翌朝は、真っ黄色の量に「!」と思いましたが、これのせいのようです。
いずれにしても携帯性もよくおすすめです。
このほかに試してみたいのが、森下仁丹のテアニンゼリー。
1個当たりL-テアニン200㎎配合です。
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