退院してからは、とにかく鼻うがいを精力的に行った。
やりすぎもよくないとは思ったが、1日5回ぐらいまではやってもらって構わないということだったので、1日3回+αを行った。
退院後1、2日目ぐらいは、なんか、溶けたガーゼっぽいのが少し出てくるな。という程度であったが、次第に出てくる血の塊の量が増えていった。
毎回、毎回、面白いほどに出てくる。
これはおそらく、経験者あるあるなんだろうけれど、本当にオモシロイ。
時々、とんでもなく大きな塊も出てくる。
ただ、それだけ出てきても、嗅覚はないし、おでこの痛みも解消しなかった。
一方で、詰まっていたものが出てきた分、鼻が通ってきたという実感はあった。
本当にびっくりするほど出てきて、どんだけ詰まっていたんだと思うのだけれど、冷静に考えれば、毎日毎日出血している分が溶けるガーゼに染み込んで出てきているわけで、それだけの血やガーゼがそのまま鼻にたまっていたわけではない。
しかしながら、いまだに額のあたりが重かったり、匂いがわからないということは、前頭洞にアクセスする自然孔のあたりがまだだいぶ詰まっているのだろうと勝手に推測していた。
退院から1週間後に病院での処置があった。
「鼻は通り始めているけれど、おでこが重くて匂いもわからないんですが」
鼻の中をファイバースコピーでのぞきながら、「まだまだいっぱい残っているから、そうかもね。今の段階で取れる分を全部処置しておくので、様子をみましょう」と言い、ずごごごと取ってもらう。
「特に前頭洞、というか上の方がだいぶ溜まっていたので、だいぶ楽になるはずですよ」
比較的、長い間のずごごごタイムでしたが、確かにとってもらった実感がある。
処置で刺激されたから、また腫れてしまった部分もあるのであろうが、明日になればだいぶ回復している予感がした。
「患部はきれいなので鼻洗浄をしっかりとしてください」
で、診察を終えた。
で、その翌日、朝起きて日課となった鼻うがいをする。
??!
えっ?これってキレイキレイの匂い?
手洗い石けんの匂いだ。
久しぶりの嗅覚。
それと同時におでこの痛みも消えていたことに気づく。
超いいじゃん。
洗面所で感動したのは初めてかもしれない。
とは言うものの、その後も、鼻洗浄は欠かさず行う。
血を含んだガーゼが出ていくさまは、やっぱり面白い。
術後3週目までは、毎回、ある程度の量がでていましたが、それ以降は少なくなっていきました。
4週目の終わりにはほぼ出尽くし。
それ以降はメンテナンスのための鼻うがいです。
何か変わったことといえば、
12日目あたりから数日間、鼻洗浄の刺激でくしゃみが止まらない事がありました。
本当に鼻洗浄をしていると鼻がくすぐったくて、びっくりするぐらいくしゃみがでる。
後鼻神経切断術を施しているから、くしゃみは、そう簡単にでないんじゃないのかと思っていたので、少し不安になった。
しかし、2、3日経つと、それもなくなった。
あれは何だったんだろう??
鼻の粘膜が正常化する過程の何かだったのでしょうか。
今は痛みもなく調子がいい。ほぼ粘膜は元に戻ったのでは?と勝手に思っていたのですが、それなりに術後で荒れているんだと納得しました。
それともう一つ。
言葉を話すと、鼻の奥で声が響くような感覚が出てきました。
これは、それなりの違和感ではあります。
今までずっと鼻腔内、副鼻腔内が詰まっていたから気付かなかったのかもしれませんので、これが本来のあるべき状態なのかもしれません。
しかも。手術により、軟骨を取ったり、自然孔を開放したりしているから普通の人より空間が増えているので、より一層そう思うのでしょう。
しかし、これは慣れるしかない。
その後の1ヶ月検診では、特に問題なく、状態は良好とのこと。
人混みでのマスクと鼻洗浄を徹底した甲斐がありました。