鯨はおいしいだけではない。イミダペプチドが豊富。
私の生活圏のスーパーでは鯨の刺身やクジラベーコンがたまに並ぶ。
これらはどちらかというとおつまみの範疇になるのかもしれないけれど、個人的には嫌いではない。
赤身もベーコンも。
むしろ好きな部類の食べ物だ。
このあまり馴染みのない鯨の赤身であるが、若返りや疲労回復が期待できる物質バレニンがかなり大量に含まれているという。
バレニンについては、マウスによる研究レベルではあるが、疲労回復や脳機能の改善効果が確認されているもので、正式な名称はイミダゾールジペプチドという。
これは実はすごい成分なのでは?と期待している。
ただし、ちょっと気になる表現もある。抗酸化物質としての効果が期待できるということであるが、「抗酸化物質」というところが、個人的には疑問符なところ。
よく見る表現ではあるが、体が酸化するという表現の医学的な意味がよくわからない。
鯨の恐るべき生態
まあ、そこは置いておくとして、
鯨の多くは何千キロという長距離を回遊している。
この長い距離を行動範囲としている鯨の1年の使い方がまたすごい。
冬場の半年間は餌が豊富な北方の冷たい海で過ごす。
そして、残りの半年は繁殖のために数千キロも離れた暖かい海まで南下するため、不眠不休で泳ぎ続け、そこについたら、今度はほとんど餌もとらずに子育てをするとのこと。
恐ろしく疲れ知らずな生き物である。
さらに、くじらは非常に長生きな生物でもある。
ミンククジラ、マッコウクジラ、イワシクジラは50~80年とほぼ人間と同等程度に長生きである。
もっと大きな、シロナガスクジラやホッキョククジラでは150年以上も生きる個体もいるということ。
これにプラスして、結構ぎりぎりまで繁殖期が続くというのもすごい。
ほぼ不老不死のような生活ではないか。
このようなクジラの生態を考慮すれば、とんでもない効果のある疲労回復物質が体内に多く含まれているのは容易に推定でき、しかもクジラは人間に近い哺乳類であるから、人間にも、ある程度効く物質であると考えても別に違和感はない。
これがバレニンということである。
そう考えれば、抗酸化物質というのは抜きにしても、疲労回復効果についてはかなり期待できるのではないだろうか。もちろん、不老という部分では、抗酸化に近い何らかの効果が働いているのだとは思われますが。
赤身に含まれるバレニンの量がすごい
さて、この効果を期待したいのであれば、クジラベーコンではなくて、赤身だ。
この赤身、食べるならやっぱり刺身が旨いと思っている。
竜田揚げや大和煮も美味しいけれど、加熱が強い分、バレニンが壊れるんじゃないかというところも気になって、刺身が良さそうだという部分もある。
刺身はニンニクやしょうがを薬味に醤油でいただくのがおすすめ。
はじめは、見た目は濃く鮮やかな赤色で、抵抗感はあるかもしれないが、牛刺しと一緒だと思えば、すぐなれる。
臭みもほとんどないので食べやすい。
もっと普通に並んでくれたらいいんですけどね。
ちなみに、気になるバレニンの含有量ですが、
よくスーパーに並ぶ、というか食用に供される、
・ナガスクジラ
・ミンククジラ
・イワシクジラ
はいずれも100g当たり1200㎎ものバレニンが含まれているとのこと。
どれぐらいとれば有意な効果が出るのかはまだ研究段階のようですが、
例えば、ファイテンのページを見れば、具体の含有量は書かれていないが、1包あたりたんぱく質が0.3gと書いてあるから、(バレニンはイミダゾールジペプチドなので、たんぱく質のうち数とした場合)それ以下だろうし、
DHCなどの商品も1日220㎎などと書いてある。
しかもサプリは結構高い。
そのため、個人的には、クジラの刺身で摂れるのであれば、そちらの方がうまいし、割安感はあるかと思ってしまいます。
でも、サプリがあるってことは、やっぱり人間にも効果があるってことですよね?
継続的に食べていないので、判断しづらいところもあるけれど、機会があったら意識的に食べてみようと思います。