マイホームを持つということ
入学や結婚と同じく、人生最大の決断イベントの一つです。
一生で何回も不動産は買えるものではないし、すでに、高度経済成長期を支えるモチベーションであったマイホーム神話は崩壊し、なんで高い金を払ってまで買うのか、賃貸でいいじゃないかという考え方も最近では多いです。
家を買う理由としては、その土地に自分の生活のフィールドを築こうというものだと思いますが、最近は、あくまでも投資目的であり、住むつもりもなく、とりあえず買う人もいます。
どちらも動機としては正解。
家を買う理由は人それぞれでかなり多様化している。
いずれにしても、購入すること自体は、そう何度も経験するものでもないから、注意して買いたいですよね。
なぜならば、
買わせるための情報はたくさんあれど、その逆の情報は意外と少ない。
というのが、私の経験です。
私も初めてマンションを買ったときは色々とネットで調べたりしたものでしたが、浮かれているので何の疑問も持たず、鵜呑みにすることもありました。
でも冷静になって考えてみると、なんでそう思ったんだろうということが、結構ありました。
そんな経験から、注意すべき点をいくつか書き出します。
デベロッパー
デベロッパーでよく聞く名前がある。
積水、野村、三井、三菱、住友など。
マンションに関して言えば、積水は長谷工と組むことも多く、対応は安心。
ただし、長谷工タイプというか、同じような間取りが多く、ちょっと飽きるかもしれない。
野村はとにかく丁寧な印象。
一方で、丁寧ゆえに、対応は遅く、物件も高めの設定。あまり急いでいないゆとりある富裕層向けの対応なのかもしれない。
「時間をかけて考えてくれているのね。」というような。。
でも、私は富裕層でもないので、答えは早くほしかったのですが。
三井は、ファインコートという戸建てがメイン。
名前からさわやかな印象で立地もいいところに開発をするが、なんだか鼻につく対応が気になった。私の場合がたまたまだったと信じたいが、「財閥系で買うのはやめよう」とまで思った時がある。
大きなところは、人間も多いから、ハズレの営業も多いのは事実。(ただし、割合は不明)
ともあれ、大手はいざという時に総合力で対応できるので、やはり信頼はできると思っていいと思う。
これらは、あくまでも私の主観ですが。
内覧会
内覧会の説明については、本当にさまざまなWebサイトがあり、本当に参考になったが、ちょっとこれは。ってのもある。
例えば、音の問題。
これから生活していく場所だから音は重要だ。仕事でもしていれば、家にいる半分は寝ていると言っても過言ではない。また、自宅で仕事や勉強、その他集中しなければならないときもあり、生活音については十分な注意が必要だ。
しかしながら、とんでもないチェックを要求する人もいるらしい。というより、そういうことを要求すべきと書いているサイトを見たことがある。高い買い物だから、徹底的に確認すべきだと。
内覧する時点で手付けを打っていると思われるから、今さらとも思われますが。
例えば、手っ取り早く、上の階から、隣の室から、実際に音を出してもらって確認する。
これってどうなのか?
他人が買う予定の住居に入って、壁や床をドンドン。
とにかく売りたいがために、やっているのかもしれないが、そんな要求をすぐのむようなデベはむしろ注意しなければならない。
あなたが買おうとしている部屋に入って、ドンドンしているかもしれないのだから。
なので、私はこれは嫌だ。
私の場合は、試しに「上の部屋に行って足踏みしてきてくれませんか?」と営業担当者に聞いてみたが、「すでに成約されている可能性があるので、できません」と言われて、逆に、信用しました。
それと、もう一つ。
新築でまだ住民がいないマンションの場合、他からくる生活音が全く聞こえないので、少しの音でも、すごく気になるもの。でも実際に生活すると、音にはほかの音をかき消すような効果もあるから、自分にとって本当に気に障る音がなんなのかは、シーンとした内覧会では判断ができないと思っていい。
手直し
これも、少しのことでも徹底的に直すべしとはウェブで得た情報です。
ところが私が思うのは、手直しは自ら家に傷をつけているということです。
交換できる部品や、ある程度の直しはいいが、よほど気にならない限り、修理せずに放っておく選択肢もありです。
壁紙などは使っている間に汚れるし剥がれるが、下手に手直しすると、日焼けによる壁紙の色合いやバランスが悪くなることもある。
また、がたつき、建付け等の削る系の直しは、どんどん部材を傷つけることになることを意識しよう。ましてや下手な大工に当たれば、さらなる直しも、また然り。
特に木材については、湿気や吸湿状況にもより、膨張したりするから、一年程度の期間で様子を見ながら修繕していく方が、適正な直しができると思われる。
これについて、普通は1年後、3年後などに定期点検がついているから、その機会に対応してもらうのがよい。
心配であれば、内覧の時に書面を交わしておくのも手だ。
一年後も改善されなければ直してね、と。
例えば、梅雨時や台風等の長雨の時期などは湿気が多いので注意だ。もともと新築時の木材は内部がまだ完全に乾いていないため膨張し、軋んだ音がしたりドアが閉まりにくかったりする。
こういう場合も、1年くらいは様子を見たほうがよい。
駐車場は意外な盲点
買うときに負債になる可能性を考えないもの。
その最たるものが、駐車場。
駐車場100%完備!
などと書いてあると、すごく便利と思いますが、10年後、20年後を想像してみてほしい。
特に近年の新築マンションはお年寄りが結構買っているから、すぐに車を使わなくなる。すなわち、将来的に駐車場を必要としない世帯が多い。
ゴースト駐車場問題が出てくるので要注意です。
使う人がいなければ、駐車場はとんでもない金食い虫になります。
もうひとつ、月ごとの料金を滞納する住民も少なからずいる。
法的手段に出てもいいが、弁護士先生にいい金額を払う必要もあるし、手間隙もかかる。一方で、民事で争っても滞納分が払われるぐらいで、このような他の費用を回収できない。
もちろん、これらのトラブル費用も空き駐車場もみんなの管理費で払っていることをお忘れなく。
その他、初歩的なところで、家を買う前の段階で、舞い上がって忘れてしまう部分を示します。
収入増加見込みの資金計画
住宅ローンを組む際には、将来の収入もある程度見込むと思う。その多くは、増えることを見越していくものと思われる。
実際に、収入は増えていくことがほとんどだと思われるが、生活ステージが進むと、習い事や学費、自分の趣味、その他もろもろ支出も一緒に増えていく。
ましてや、家を買ったから節約しないと等という感覚は、1年もしたら消える。
だから、買うときぐらいは冷静に、収入が(しかも順調に)増えるという概念は持たない方がいい。
それぐらいにしておけば、今と同等レベルの住宅ローンによるストレスを維持できる。
結構、考え込むとストレスになるので注意。
ただでさえ、年収の何倍もの借金を抱えるのですから。
ここで、住宅という担保付きローンなんだから心配ないだろと思われる方もいるかもしれません。
ところが、時代は人口減少社会に突入しています。人口いわゆる住む人が少なくなり、住宅の需要が減るのは明確なのですから、相当いい立地条件でもない限り、住宅の担保価値は想定外の早さで減少していく事が理解できると思います。
間取りは子供1人1部屋を考えてみる
これはよくある話で、住み替え前提に買ってしまうケースです。
子供が大きくなったら部屋の多いところに引っ越せばいいなんて思っていないでしょうか。
実際に、それぐらいの時期になると、小中学校の場合は転校の問題も生じるし、受験して私立や高校などに入れば、もうすでに遠方に引っ越す事も無理と言えるでしょう。
家を買う以上に大変かもしれません。
それであれば、はじめから住み替えとして想定した間取りの家にしておく方が無難です。
そんなことを考えると、住宅ローンについてよく言われる、年収の6倍。
これはある意味払っていくためにはちょうどいいところではあるが、これだけでは不十分。
フルスペックで年収の6倍ではなくて、買った時点では使わなくとも、10年後の自分のステージを想像した間取りで考えてほしい。
例えば、買った当初は必要ないかもしれないが、将来を考えて部屋を一つ増やした物件で考えてみてもいいのではないでしょうか?
他にも色々あると思いますが、こうしておけばよかったかもという一例を、経験を踏まえて書いてみました。
少しでも参考になれば、幸いです。