サラサラ式

趣味の雑記です。(食レポ、キャンプ、副鼻腔炎)

【三島由紀夫】文学を読むようになったのは金閣寺がきっかけだったんだ。


人生を変えたとまでは言わないまでも、文学って面白い。と考え方が180度変わったのがこの本でした。三島由紀夫の金閣寺。

 

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もう20年は経つけれど、いまだに大切に持っています。
当時はこんなメラメラ系の装丁。雰囲気が出ています。
 
高校生の頃に部活も引退し、さて受験勉強でもやろうという時だったのですが、なかなか勉強の習慣がつかず、放置プレイ状態。
そんな生活を送っていたとき、なんかの媒体でスーパースター特集(作りはほぼ長嶋茂雄特集だったのだけれど。。)みたいなのをやっていて、その中で三島由紀夫が少しだけ触れられていた。それまで、私のなかでは文学とスーパースターがどうしても繋がらなかったから、違和感があったのを覚えている。
その時はそれで終わったのだけれど、また別の日に参考書を買うために書店に行った折りに、気分転換に星新一でも読もうかと文庫本コーナーに向かったのであるが、背表紙がオレンジ色の目立つ配色の文庫本を一角に見つけた。そこに三島由紀夫がいた。
「この前見たやつだ」
文庫本の厚さはバリエーション豊富で、この人は書きたいことを書きたいだけ書いていたんだろうなと思って題名を眺めていると、ある本が強烈に気になった。誰でも知っている固有名詞。金閣寺と書いてある。
そこからは早かった。当時はお小遣いも限られているので作家買いをせず、中身をパラパラめくって、チラ読みして気に入ったものを買うようにしていたのであるが、それもせず買ってしまったのを覚えている。
 
本屋を出て家に戻り机に向かう。
やっぱり参考書を開く気が起きない。
音楽を聞くにしても夜中だしな。(当時はコンポと呼ばれる各種のプレーヤーが重ね積みされた機材で、これまた大きなスピーカーで部屋中に音を響かせて、体じゅうで感じる重低音を楽しむのが流行っていました)
そういえば、さっき買った金閣寺があったではないかと読み始めたのであるが、それからは、ほぼノンストップで読みふけってしまいました。
後でわかったのですが、大衆小説のジャンルだという人もいるけれど、まあ、それでもいいじゃないですか。文章でこんなにもはっきりと目に見える情景も目に見えない心の中のことも伝わるのかと驚きましたし、それに読みやすい。
それからは三島由紀夫の作品のコンプリートに入り、安部公房、寺山修二(これはちょっと違うか)などの日本の近代文学といわれる同時期の作家にも視野を拡げていきました。
そんなこともあり、元々本は好きだったのだけれど、「近代文学」を好きになるきっかけを与えてくれた本です。

 

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