入院2日目、手術当日。
病院の朝は早い。
朝６時に放送が入る。
思いのほか落ち着いて眠ることができたので、体調は良好。
しかしお腹が空いた。
なにか食べたい。せめてトマトジュースぐらい飲みたい。
なんて思っていると、看護師さんが点滴を打ちに来た。
手際がいい。
針も一発で決める。
手術を控えて絶飲食タイムに入っているため、ブドウ糖と水分補給をしているのか、もしかした術中、術後の感染症予防のため、何か抗生物質のようなものも打っているのかもしれない。点滴の管の先には、袋が二つぶら下がっていた。
手術着とエコノミー症候群を予防するためのきついストッキングのようなものを渡され、それに着替えておいてくださいねと言って、カーテンの外に出ていった。
こうやって点滴につながれてしまうと動きがとりにくく暇な気分が増幅する。
予定時間を1時間ぐらい過ぎたころ、看護師さんが呼びに来た。
「これから手術室に行きましょう。」
普通に歩いて手術室に向かった。
主治医の先生からこれから行う手術の再確認をされ、手術台に横になるよう促される。
手術台のベッドに横たわるのは初めてである。
見た目、幅は狭く、寝心地悪そうだな。
と思ったが、意外や意外、無重力クッションのように寝心地はとてもいい。
おそらく長時間同じ体制になるため圧力を分散できるようにマットレスが工夫されているのだろう。
ここで、新たに点滴の針を差し、顔にマスクをはめられる。
「それでは麻酔入りますね。」
そこからはもう記憶がない。
鼻にガッツリとガーゼが詰められた状態で意識が戻った。
ここでふと我に返る。
下半身の違和感はない。
よかった尿管カテは無かったようだ。
そのままベッドで病室まで運ばれ、時計を見ると18時。
病室を出てから戻るまで4時間弱。
手術時間は3時間ちょうどくらいだったのであろう。
これから、よく言われる地獄の2日間が待っている。
