本屋に行くと、結構ないい位置に断捨離本、片付け本、ミニマル本などの整理術コーナーが陣取っている。
書店には撮影禁止の暗黙のルールがあるので小心者の私はその画を写真に収められないのが残念ではあるが、とにかく特等席でかつ幅も利かせている。私が見るかぎり、ほとんどの本屋でそうなっているから、この手の整理術の本は売れ筋なのだろう。
特に衣替えのこの時期は新刊リリースも活発だ。
ところで、本当にそれでいいのだろうか?
書いている人はだいたい同じ人。それが似たようなテーマで何冊も何冊も出版している。
その時点で、
断捨離できてないんじゃないかな、
ときめきの魔法がかかっていないんじゃないかな、
やっぱりものはいるんじゃないかな、
なんて思ってしまうのだけれど、このあたりについて書き手はどう考えているのだろうか。
(勢いで書いてしまったけれど、ものがいらないって本はまだ一冊目のようですが)
もしかしたら中味がガラッと変わっているのかもしれないと、パラパラめくって斜め読みをしてみても、装丁と題名は変わっているものの多少表現を変えた焼き直しっぽくて、本質的な違いがよくわからない印象。
本で伝えていることと違うような気がしてしまうのです。
私がもし本屋ならどれかに絞ると思うし、もし作者だったら古い方は回収すると思う。
何故って、これでは買う人が迷ってしまうから。いろいろな人の本がある分にはいろいろな考え方がわかるから、それはいいとして、同じ人の書いたものがいくつもあると、じゃあどれ?って。
迷わないために減らしてシンプルにするのが根本なのに、なんか矛盾があるような気がしています。あくまでも気がしているだけですよ。
そういう意味では、これ系の本をたくさん買ってしまう人はいつまでたっても実行できないのかもしれません。だって、実行していたらもうそんな本の必要がなくなる。少なくともミニマリストの方々が買うとは思えない。
もちろん、買っただけで片付けた気になるという、テスト前のノートコピー効果みたいなものを得たい人もいるので、それはそれでいいのですが。
ひとつのコンテンツを骨の髄までしゃぶり尽くすというのは、立派なビジネスモデルだから、disるつもりはないのですが、このテーマとなると、なんか違和感を覚えるな、って話でした。