サラサラ式

趣味の雑記です。(食レポ、キャンプ、副鼻腔炎)

副鼻腔炎による嗅覚障害の治療でリンデロン点鼻薬を使った効果


1ヶ月前から慢性副鼻腔炎の治療でマクロライド系の長期少量投与を行ってきたのだけれど、その効果があってか、だいぶ鼻の調子は良くなってきました。

鼻づまりに悩むこともほとんどなくなり、すこぶる調子がいい。

夜中も起きることなく、よく眠れてうれしい。 

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ところが、唯一、嗅覚だけは戻っていなかった

鼻が通じているのに匂いがわからない!

いわゆる嗅覚障害というものになってしまっているのかもしれない。

嗅覚障害の検査

臭いが感じにくいことを耳鼻咽喉科の定期診断の時に相談してみました。

副鼻腔炎の患者によく見られる鼻たけ等が障害となって、嗅細胞まで鼻から吸い込んだ臭いの物質が届いていないかもしれないということで、嗅神経のあたりを一度見てみようということになった。

見る方法はファイバースコープ。

左右の鼻からファイバースコープを挿してそれで鼻腔内をくまなく見るのだ。

やはりびっくりするのは鼻茸があったこと。

しかも一つどころではなく複数である。

ただ、嗅神経を大きく囲うほどのものでもなく、ただ角度によってはそこまで臭いが届かない可能性があることもあるかもしれないということだった。

気になるようなら手術をして鼻茸を除去してもいいが、そこまでのことをしますか?とのことになった。

しかし、手術は一週間ほどの入院になると言うことで、ほかの方法があるのなら様子をみたいということにしました。

なお今回は、薄いながらも匂いがわかるときがあるということで、いきなりファイバーになったが、ニンニク注射で嗅細胞の機能を確認することもあるとのこと。

腕に注射を打って、匂いを感じるかどうか調べるなんて、少しやってみたかったような気もしたが、そんな検査もあるんですね。

 

少しでも匂いがわかるか?が治療方針の分かれ目

ここで重要なのは、「少しでもにおいを感じるか否か」である。

神経系の回復治療はもともと難しいことが多く、リハビリなどによる反復治療がメインとなる。これは、体中のすべての神経が同様で、仮に再生せずとも、残った神経の感覚を研ぎ澄ますことはできるとのこと。

そのため、少しでも神経系が機能していればまだ望みはあるということだ

その一方で、嗅神経自体が機能を失っていたら、ほとんどの場合、治しようがないということである。

さらに、部位も頭部の中央部に位置することから外科的手法もほぼ困難ということだ。

嗅覚にかかわる神経系は、

鼻腔内の上側、両目の間にある500円玉ぐらいの大きさのセンサー部

・それを脳までつなぐ神経

センサー(嗅神経)で受け取った情報を匂いと認識する脳の領域

であり、当然のことながら、これらのどこかがやられても嗅覚に影響が出る。

病気によるものだけでなく、打撲や頭を強く振ったりする等で物理的に神経が切れてしまっているもの、加齢により退化しているもの、脳由来のものなど、様々な要因があるとのこと。

ただ、少しでも嗅覚が残っているのであれば、投薬でもその機能を取り戻すこともできるとのこと。

一方で全く感じないのであれば、それらの神経系を丹念に調べなければならない。

ここは大きな違いである。

なので、少しでも匂いを感じるか否かは大きな診断基準になるとのことである。

 

それと、先ほどの神経系の治療の繰り返しにもなるが、からだ中のどこの神経も、神経は使っていないとどんどん退化していくということである。

早めに治療した方がいい。

 

リンデロン点鼻薬(ステロイド)の投薬開始

私の場合、匂いを少しは感じるときがあるのでリンデロンというステロイド系の点鼻薬で治療することになった。

正式名称はリンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%

主成分は、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム

ジェネリックもいろいろな名前で出ている、昔からある薬。

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さて、鼻の治療でステロイドを使うことはよくある。

特に、霧状のステロイドを噴霧するナゾネックスやアラミストは本当によく使われる。

これらの霧状のものは鼻の粘膜に直接付着するだけであるので、体内への吸収量が低く比較的安全だという。

 

一方、リンデロンの場合は1~3滴ほど鼻に垂らす。

これが結構難しい。

鼻の中がそもそも湿っているから、数滴、薬を点鼻しても正直よくわからない。本当に薬が奥まで届いているのか半信半疑。

そして、その間、懸垂頭位といってかなりつらい体勢を5分程度維持する必要がある。

そうしないと鼻腔の上部にある嗅神経に薬が届かないからである。

これが意外に大変。

また、のどに落ちた薬液をこのまま飲んでしまうと人によっては副作用が出ることもある。

なので、あまり簡単には処方されないようである。

ちなみに言うと、薬価の面で言えばリンデロンの方が圧倒的に安い。

 

治療の効果

効果のほどはというと、一旦、ナゾネックスをやめて、リンデロンに切り替えてみたのだけれど、これがすごい。

正直な話、1日で効果が出てきて、2日3日過ぎた時にはもうかなり嗅覚は戻ってきた。というより、前よりも匂いの感覚が鋭くなっているという状況になった。

こんなに効く薬があるんだったら最初から出してくれればと思ったけれど、それゆえに効果が強く副作用もあるということなのであろうか。

まあとにかく、かなり自分にとっては効く療法であるということは分かりました。

これを止めたらまた戻ってしまうのか、そのまま治るのかはこれから検証です。

そもそも、ステロイドなので長期投与はできないとのことです。

なお、鼻詰まりの改善はナゾネックスの方が圧倒的に効きます

理由は簡単で、薬液の滴下による点鼻と異なり、噴霧上の薬液が鼻腔全体に届くからです。

 

もし鼻が利かないようであれば、耳鼻科で見てもらいましょう。

現状では、嗅覚障害の投薬による療法はこれしかないようです。

使い方は少しコツがいるし、手間もかかるけれど、私の場合はちゃんとやれば結構早く効果が出る方法でした。

 

それと、思うように効果が出ない方もいるようですが、鼻閉や鼻汁過多の症状が改善していないのにリンデロンを使ってしまっているのかもしれません。これらが改善していないと鼻腔の奥の嗅神経まで薬が届かないので、そちらをある程度直してから使った方がいいようです。

 

匂いがわかるってこんなにもいいものだったんですね。

ワインの香りをこんなにしっかりと感じるのは久しぶり。

いつもの料理の出汁の香りやうま味に感動しています。

 

【過去記事】

3年前に副鼻腔炎にかかった時にクラリスで治療しました。 

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ジェニナックによる投薬治療です。  

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