シュッと一吹き、手軽なカビ対策になるのかな?
夏場の大敵はカビである。
そして、夏が過ぎ、涼しくかつ湿気もおさまる秋には、カビの活動も落ち着くが、カビは胞子の状態でしっかりと生きている。次の自分の出番を待つように。
燻煙のように部屋全体に広がる「ルックのおふろの防カビくん煙剤」の部屋バージョンがあれば、すぐにでも使ってみたいのであるが、これはお風呂用である。
使い方を失敗したからといって、風呂場のように天井、床、壁を水で洗い流すような思い切ったリカバリー策を取ることが不可能な居室で試す勇気はない。
何かいい製品はないかとホームセンターをうろうろしていたところ、お部屋のカビ取りクリーナー(友和)というものを買ってみました。
というよりも、店内を探してもこれしか見当たらない。
室内用のカビ取りは結構ニッチな市場なのか、技術的に困難なのか。
価格は750円くらいでした。
着やせするボディ。
パッケージのわりに、意外とスリム。
部屋のカビ取りに必要な条件
塩素不使用なので、刺激臭はなく、塩素が苦手でも躊躇なく使えるところは結構いい。
でも、「発酵乳酸の強力な除カビ作用で、家庭内に発生するカビのほとんどを約10分ほどで98%以上除去します。」とあるけれど、98%というところがなんだか控えめてすごく気になる。
普通は控えめに見ても99%と書くところではないだろうか。
JAROでも意識したのだろうか。
皆様ご存知の通り、カビの生育はバイバイン(ドラえもん17巻参照)のように、指数や対数的に増えていくので、初めの一歩は重要である。
ところで、以下にも記載がある通り、カビは高温(ないし低温)と乾燥に弱い。
摂氏40度までが生育環境なので、いつも気になるところは定期的にドライヤーからの温風を10分も当ててあげればカビは生えずに一旦は死滅する。
また、何かのゲームでドラゴンが吐くコールドブレス的な超低温の風を吹き付けてもいいが、すぐに温度は気温に戻るため湿度の管理が難しい。温度が低いと飽和水蒸気量が少なく、必然的に湿度が上がりやすいためだ。
とはいうものの、温風をそんなに定期的に吹き付けるのもなかなかできないので、こういうケミカルの出番になる。
それと、パッケージや説明書にある、さわやかなオレンジの香りを感じるのは使っているときくらいで、使用後は香りは残らないような気がしている。
私の鼻の効きが悪いためかは不明。
肝心な成分は、L-乳酸、有機酸、リモネン、香料、界面活性剤(6%.ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とある。
ちなみに、こういう表記がよくあるが、正直なところ有機酸と香料は何が入っているのかが全く持って不明である。
この辺りはもっと詳細を書いてくれるとありがたい。
また、この薬剤の主成分となるL-乳酸のカビ取りの機序についても調べてみたが、詳しい説明は見つけられなかった。しかしながら、非塩素系のカビ取りとしては、とにかく、乳酸をカビ取りに使っている製品が複数あることはわかった。まあ、効くのでしょう。
それと、この薬剤は弱酸性である。
乳酸や有機酸だけではpHも低下(酸性に傾く)する。
このような酸性の環境下では、カビも生育しやすいので、界面活性剤は洗浄効果のほか、pHも上げる効果も期待していると思いきや、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは非イオン系の界面活性剤であり、pHにはほとんど寄与していない。
いずれにしても、弱酸性はカビの生育環境下であるから、防カビの効果はあまり期待しない方がいいのかもしれない。
あくまでも、今現在、生えている除カビが対象である。
ただし、カビを完全に除去できれば、どこかからカビの胞子が飛んでこないうちは、カビは生えない。カビ対策はやるなら徹底的にやることが鉄則である。
レビューで効果がなかったという意見は、徹底的にカビ除去をしなかったためではないだろうか。
実験的にカビに直接使ってみた。
下の写真は、コーティングが剥がれてかつ、カビが生えて使い物にならなくなったPORTERフリースタイルの持ち手部分。
写真の左側にこのカビ取りクリーナーを噴射して、半日放置した図。
拭いてもいないのに、カビによる白い部分が消えているということは、カビの制御はできているようだ。
この段階からカビがどのくらいで生えてくるのか数日放置してみようと思う。後日報告するよ。
(後日追記)1か月経過しましたが、どういうわけだか、一向にカビが生えてくる気配がありません。しみ込んだ薬液が効果を持続しているのかもしれませんね。
刺激臭もなく安全性は確認できたので、もう一つぐらい買ってもいいかなと調べたら、店頭より200円くらい安くて、愕然としている。
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