サラサラいこうね。

― ストレス社会をサラサラと過ごそう ―

米国のパリ協定からの離脱で環境マネーはどこに向かう?


米国がパリ協定から離脱

6月1日にトランプ大統領がパリ協定からの離脱を表明した。

パリ協定と言ったら、地球温暖化対策の国際的な枠組みだけれど、京都議定書のときと同じことをアメリカ様はすることはなかろうと、何かの会議で出たトランプ一流のジョークだと思ったら、ホワイトハウスでの演説だから本当の話だ。

もう一つ、なんでジョークと思ったかと言えば、単純に、アメリカ(当時はオバマ大統領)が作ったようなものだからである。

しかし、これは大マジのようだ。

パリ協定自体は、

具体的な施策は、今世紀中に温室効果ガスを実質ゼロにまで低減しようというもの。

温室効果ガスは気象庁のHPによれば、

・二酸化炭素(CO2)

・メタン(CH4)

・一酸化二窒素(N2O)

・フロンガス

・その他

の順で排出されているとされるが、圧倒的に多いのが二酸化炭素であり、全体の75%にも達する。

これらの温室効果ガスの排出量ベースではアメリカは中国に次ぐ世界2位であるが、その発生源としての低減効果に加えて、中国と異なり、温室効果ガス削減等に寄与する自前の環境技術も潤沢に有しているわけだから、ここが離脱するとそのインパクトは強い。

その影響は発展途上国にもおよび、CDM(クリーン開発メカニズム)の枠組みも必要がなくなるので、発展途上国向けの資金支援も停止する方向になる。

当然のことながら、目標達成が大きく先送りになってしまう。

 

さて、この「米国第一」主義のトランプ大統領というか、米国政府の姿勢は、当然のことながら、共感する声はどこからも聞こえてこない。

でも、米国にペナルティを科すこともできず、温暖化対策をやめるわけにもいかないので、今後はEU(欧州連合)と中国が主導することになる。

本当に実行できるのだろうか。。

 

為替は下げても、ダウも日経平均も下がらない不思議

さて、これについて株式市場では興味深いところがあった。

それを受けた6月2日の米国の株式市場。

雇用統計が予想未達だったこともあり、1円程度の急激な円高が進行。

通常、日本時間の金曜の夜にそれだけ円高が進めば、大きな下落に向かってもおかしくはなかったが、そう単純ではなかった。

為替は大きく下げて、円高が進行するのであるが、NYダウ平均株価も日経平均株価(ただし、夜間なので先物ベース)も下がらない。厳密な動きを言えば、短時間、株価もは下がりはしたが、じわじわ戻した。もちろん、為替は下げっぱなしである。

日本市場においては、この日の日中(金曜の昼間)に300円超の大幅高をしたことから、夜間のこれらの外的条件で-20円程度であれば、かなり堅調だったといえる。

ここで、なぜ興味深いかというと、環境そのものへの貢献や、環境に力を入れている企業を投資対象としたファンド等が相当あり、およそ1000兆円強の規模だという。また、そのうち40%は米国系とのことだ。

これって、相当大きな規模であるが、これらが、一斉に米国企業から資金を引き揚げたら、市場の大混乱を引き起こし、それこそ恐慌の引き金になるクラスであるし、相当、緩やかに資金シフトさせたとしても、この、引き揚げた資金はどこに向かうのか等、いろいろな思惑が錯綜すると思われる。これが、どこかに留意された動きだったのではないだろうか。しつこいようだが、雇用統計ではなく。

勿論、トランプ大統領のことだから、米国系企業の投資ファンドについては、なるべく国内企業への投資に向くように、国外企業や「米国ファースト」にそぐわないところへの投資については、何らかの縛りをかけるのであろうが、残りの6割は欧州系等の米国系以外なので、そこまでコントロールできないであろう。

6月5日(月)以降、しばらくは市場の動向を、特に環境に力を入れている企業や、国単位でウォッチしてみるのもいいかもしれない。

当ブログの記事および写真等の無断流用はお控えください。